最近、頻繁に目にするネット・コマーシャルがある。
その中では、数人が集まって盃を掲げ、次第にその画像が不明瞭になって来る。
「アルコールを大量に摂取すると、意識が曖昧になって来るため、(パンデミック下の自主規制)を忘れてしまうこともありますよ」
とう主旨のコマーシャルである。
人様のおっしゃることを簡単に鵜呑みにする傾向のある私は、なるほど、と感じ入った。
九月の中旬に街の中心のレストランに食事に行ったことがある。そのレストランは、二軒のパブレストランに挟まれている。
食事会が終わって、21時頃にレストランを出たところで長蛇の行列に挟まれた。
隣りのパブレストランに入ろうとする人たちの行列であった。若い人たちが多かった印象を受ける。そのパブレストランのテラス席のベンチでは、所狭し、と人々が腰を掛け、ビールと会話を楽しんでいた。
私たちは四人であったが、四人とも、その光景を目にして疑問を持った。
「もうパンデミックは終息したの?」
「これを見たらテグネル氏は何というかな?」
今週の11月11日、テレビの一ニュースに釘付けになった。
スウェーデン政府は、レストラン、バー、ナイトクラブ、学生パブ、パブにおいて、アルコール類の販売を禁止するということである。
この禁則は暫定的なものである。
禁則の対象となる時間は22時から11時までの間であり、当初の予定では2021年2月まで試行するということである。
この規制に関しては、現時点では、ホテルのルームサービス、各部屋にあるミニバー等は対象外とされている。
当然、この規制に依って、通常でさえ打撃を受けている業界はさらに打撃を受けるはめになるはずである。
レストラン、バー、ナイトクラブが大きな感染場所であるとの前提のもとに制定されたこの禁則に対して、関連業界の反応は以下のように微妙であると聞く。
「なぜ、外食業界だけに白羽の矢が立つんだ?」
「従業員の給料は夜中から明朝4時の間の売り上げから払っているのに、これでは払えなくなるではないか」
以前はとても流行っていた良心的なカフェのオーナーが手持ち無沙汰な様子でテーブルを念入りに磨いていた様子を目にした時は、やるせない気分になった。
この禁則は11月20日、すなわち来週の金曜日から発効となる。ロックダウンとはまた違うではあろうが、来週の金曜日からはスウェーデンの深夜が静まることになる。
この記事で紹介させていただいた画像は、昨晩、すなわち禁則発効一週間前のストックホルムの街中の光景である。
しかし、たとえスウェーデンの深夜から街の灯りが消えても11月の闇を柔和する灯りは他にもあるはずだ。
(2020年11月21日記)昨晩は禁則発効一晩目でした。
パブが閉店した後でも、しばらくはその外に人だかりがあった様子でした。
この点に関しては、数日後に改めてレポートさせて頂こうかと思って居ります。
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