私の家系は代々、仏壇屋である。
私が最初に婚約した時、仏滅の日に式を挙げるのなら絶対に式には出席しないと、北陸に散らばる親戚一同に宣言された。
よって仕方なく(代金は割高になったが)大安の日に式を挙げた。大安の効果は残念ながらあまりなかったようであるが。
そのような信心深い仏教徒の親族でさえ、クリスマスシーズンになると、いそいそとプレゼントを買いに出掛けたりしている。
農耕社会が主流であった時代と比較して、現代社会は家族の絆が希薄になっている傾向があると言われている。
その現代社会においては、クリスマスは、家族が集まり、その絆を深めることに貢献する機会である。少なくともキリスト教国においては非常に重要な日になっている。
逆に、家族を有さぬ人々にとっては孤独感が増長させられるシーズンともいえる。
仏教/神道において、家族が集まる機会には、どのようなものがあるであろうか。
すぐに思いつくものは冠婚葬祭である。
数年前までは、冠(元服、成人式等)、婚も多かったが、最近では葬が続いている。
今日、12月24日、スウェーデンでは家族が集まる。
私にとっても娘達をすべて回収する大義名分の出来る日となる。
前回、娘達が全てクリスマスに集まったのはいつであったのか。家族が全員集まるということは、一見、簡単に成就出来そうなことである。
しかし叶わない場合には叶わない。
今日の午後、娘達が集まった前夫のマンションに着いた時、上の階に住んでいる初老の男性のタキシード姿が視界に入った。
彼の2メートル前には息子一家らしき四人組と犬が佇んでいた。その家族らしき一行の一人が、タキシード男性の足元にプレゼントを置いていた。
しばらくしてから事情が呑み込めてきた。
その家族は、クリスマスの日に祖父(父親)に会いには来たが、大事をとって2メートル離れたところで挨拶をしていたのだ。
久しぶりに娘達の顔ぶれの揃ったクリスマスは、非常に平穏に、温かい暖炉の火(テレビ画面の)のまえでうつらうつらと過ぎた。
皮肉な話であるが、娘達が皆、スウェーデン国内に居るのはパンデミックのためである。
今度、皆が揃うのは何年後のクリスマスであろうか。
ストックホルム中心街のNKデパートのショーウィンドウの中では、毎年クリスマスシーズンになると御伽草子の世界が繰り広げられる。
それはパンデミックの蔓延する今年でも変わらなかった。
そのガラスの中の世界では、温かい暖炉の前でハリネズミ(ハムスター?)たちが小さいワイングラスで乾杯している。
その御伽草子の平穏な世界に魅かれ、ショーウィンドウの前からまったく動かない小さい子供達を多く見掛けた。
しかし、ショーウィンドウから動かないのは子供達だけではなかった。
2020年は、多くの人にとって非常にストレスの多い366日である。
せめて今日だけは、あたかも何事も起こらなかったかのように、例年と変わらぬ平穏で静かなクリスマス・イブを過ごされている方が一人でも多ければ良い。
年末でご多忙の中、ご訪問いただき有難うございました。
NKデパートの展示に関して、昨晩あがったこちらの動画では、本場の雰囲気がかなりリアルに経験していただけると思います。
頂いたコメントは自動的には表示されないのですが、時々コピペで紹介させて頂きたいと思います。
釣りとひっそりキャンプの名人、うりまさるさんからのコメントです。
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自分の生活があると、なかなか集まれないですよね💦 でも全員集合、良かったですね🎄✨✨
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