人類は吹雪にも負けず  

 「何も感じなかったわ」
 と、答えた91歳のグンブリット女史の一言がテレビ、およびネットで出回っている。
 これは、スウェーデンで最初に対Covid19のワクチン接種を受けた女性の、接種直後の感想である。




 

 最近は、数時間単位で(一部の)人々に希望を与えるニュースと、失望させるニュースが交互に入って来ているような印象を受ける。





 数日前には「ついに最後の大陸にも到達」、というニュースが視界に入った。ここで示唆される最後の大陸とは南極大陸を定義していた。
 最近では、文章の中に丁寧にウィルスの名称を入れなくても、読者には「あ、うん」の感覚で何の話題であるかは即座に察知できるのであろう。

 感染力の強い変異種のウィルスが発見された国は、今では数か国に及ぶ。



 さいわい英国とデンマークの知人と連絡は取れた。


 英国の知人は言う。 

 「ごめん、クリスマスカード、国境で止まっているみたい。着くとしたら早くて来年の初めかも」


 デンマークの知人は言う。

「変異種のウィルス?恐れてもいないよ。どうせ何も出来ないし、僕たちは滅多に家から出ることはないから」

 彼らの声調はとても落ち着いていた。 

 



 クリスマス当日は、ストックホルムは予報通り雪に見舞われた。  

 私は、湖の方角から矢のごとく降りしきる雪をしばらく窓から見つめていた。
 しかし、結局、いつものごとく不可解な衝動に駆られ、三脚を担いで外に出てみることにした。


 近所には、ふだんはあまり一人では行かないようにしている場所がある。
 そこは数年前に、陰惨な事件があった場所の近くであったためである。
 
 しかし非常に景観の美しい場所である。




 クリスマス当日の午後は無性にその場所で降りしきる雪を体感してみたくなった。雪だるまになるまでしばらくその丘で佇んで、考えを纏めようとした。



 目の前の天候は吹雪ごとくに変化していたが、私の心の雲の隙間には逆に晴れ間が射していた。


 吹雪の中、普段通りに走っている人がいる。





 吹雪の中、手を繋いで手を温め合っていた(撮影の直前)カップルがいる。






 吹雪や砂塵に晒されていても、変わらぬ明るさで通行人の足元を照らし続ける街灯がある。





 吹雪の中、そりに乗って遊ぶ子供達がいる。





 太陽の出ない12月に人々の心を明るくしようとバルコニーを光で装飾する人達も多い。

 エレベーターの壁には、「買い物に出掛けれられない近所さんたちへ、サンドラが代わりに買い物してあげますよ」、 と書かれたメモ用紙が貼ってある。





 世界が変わってしまっても変わらないものは多くある。


 一年のうちで夜が一番長かった日のストックホルムの日没時間は14時48分であった。そして本日の日没時刻は14時53分である。 


 今後、世界には徐々に光が戻って来るはずである。



ご訪問ありがとうございました。

皆さま、年末はどうお過ごしでしょうか?

不運にも疫病に感染されてしまったかた、辛かった経験と心情をシェアして下さり有難うございました。味覚嗅覚等が戻ることを切に祈っております。
何か有用な情報を見つけましたらこちらでシェアさせて頂きたいと思います。

私は、利き腕ではない左腕が非常に痛み始め、(病院にはいかないようにしているため)、どう対処したものかと思案中です。在宅勤務による姿勢の悪さも指摘されておりますが、原因は今の段階ではわかりません。
皆様もどうぞ姿勢にはお気を付けになられて下さい。



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