スウェーデン国境を無事通過して来た予期せぬもの

 パッケージが届いているから郵便局に引き取りに来るように、との通知が来た。心当たりはまったく無かったが、とりあえず引き取りに行ってみた。


 大きな箱であり、送り先はデンマークの知人であった。

 デンマークでも変異種のウィルスが見つかり、国境付近でスウェーデンへの入国が止められた直後のことである。

 実際、スウェーデンからデンマークに送ったパッケージが途中で追跡不可能になったりと、トラブルに遭遇したこともあった。

 

 時おり、デンマーク人旅行者にデンマーク語で道を訊かれたりすることがある。しかし、デンマーク語は、私にとっては、叫びたくなるほど理解不可能である

 以前、スウェーデン国営放送のドラマに出演させて頂いたことがある。

 その時の映画監督はデンマーク人女性で、彼女はデンマーク語で指示を出して下さったので、私は非常に難儀をした。仕方なく、まわりのスウェーデン達のやることを真似して乗り切ったが、彼らは難なく監督の指示に従っていた。


 しかし、そのようなデンマーク語でも文字にされていると私でもかろうじてわかる時がある。

 せっかく送っていただいたものなので、以下、その箱の中におさめられていたものを、クロスカルチャー的な観点も含めて私なりに翻訳して紹介させて頂きたいと思う。


Mikkellerのビール


 皆さまは、最近の静かなビールトレンド、とは言っても世界的に店舗を拡げているMikkellerと呼ばれるデンマーク産のビールを御存じであろうか。

 Mikkeller氏自身がデザインしたとされる缶および瓶の絵柄も人気がある。

 東京に関しては渋谷の道玄坂に第一号店 (Mikkeller Tokyo) がある。

 内装は、北欧らしくシンプルであると訪ねた人から聞いた。おそらくそこではデンマークのオープンサンドも提供されているであろう。 

 スウェーデンでは、国営酒店およびスーパーマーケットで、Mikkellerの柚子ビール、ラズベリービール等が販売されている。

 デンマークの知人は何故このようなものを送って下さったのかというと、このビール「ヘンリーとイルマ」はデンマークの、とある場所でしか入手できない希少なものであるらしい。


KERNEKIKS ハチミツ入りビスケット


KERNEKIKS

ハチミツ入りビスケット

KERNEというものはスウェーデン語では(KÄRN)、すなわち種等である。ライ麦、乾燥ニンジン等が入っているようである。

ブルーチーズ、チョリソー、ペスト、乾燥トマト等と一緒に頂くことが奨励されている。

いまいち勇気が出ないのでまだ開封していないが、体には良さそうである。


オランダ式ワッフル

 硬いワッフル生地の間にハチミツが挟まれている。スウェーデンでもドイツ資の店(Lidl)等では売られている時もある。カフェなどでもバラで売られている時もあるが高価である。


 甘い物が苦手な私でさえこれにはハマった。

 もう既に空である。


ライ麦パンスナック


 RUGBRøDSSNACKS 

 これは非常にデンマーク的なものであり、ライ麦パンをスライスして乾燥させたものである。頂いたものは海塩味である。

 スウェーデンでは見掛けたことがない。

 以前デンマークで購入したことがある。

 昼食を取る時間がない時などに、これを数枚かじってたことがある。おそらく想像されるよりは硬い。



純粋な地元のハチミツ


 ふたたびハチミツの登場である。ハチミツ製品の多い箱である。何故であろう、感染予防のためであろうか?

 Dragørという場所で集められた純粋なハチミツらしい。

 最初は杏ジャムと勘違いしてしまったほど色はオレンジ色に近い。レモンと生姜と一緒に白湯で頂いてみたがとても香ばしくあっさりしていて意外であった。



 箱にはまだ入っていたが、あと一点だけ紹介させていただこう。


 これはスペイン製だと思うが変わり種である。


生ハム300グラム

  

 以前、自分のマンションで誕生会を開いたことがあった。

 その際、友人の一人が特別なプレゼントを用意してくれたと言っていた(しかし、持参することを忘れてしまい、日持ちのするものではなかったので仕方なく自分でいただいた、と遺憾されていた)。

 ストックホルムのどこかで神戸牛のステーキを見つけて下さったそうだ。


 肉、あるいはハムのプレゼントも、相手がベジタリアン等ではなければ乙なものである。

 しかし、この生ハム、どうやっていただいたものか。

 スーパーマーケットに行って薄切りに切ってもらうか、サイコロ状にしていただくべきか。

 説明書は同梱されていなかった。



 送った手紙および物が早く無事に届くという常識が常識でなくなってしまった昨今である。

 この混沌たる状況の中、デンマークから無事にスウェーデン国境を通過した贈り物なので、頑張ったね、と喝采を送りたい。

 

ご訪問有難うございました。

一昨年英国の友人に送ったクリスマスカード、去年の年始、東京の友人に送った年賀状が未だに届いていないということなので、今年の年賀状はどうすべきかと思案中です(もう時期はかなり過ぎてますが)。


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