マンションのドアを一歩出て、外の世界に飛び出すたびにドラマに遭遇する。
大袈裟に聞こえるかもしれないが、最近は仕事に忙殺されて外に出る時間と気力がないので、私にとって、外に出ることは大行事なのである。
本日、目撃したドラマは二話ある。
どちらかと言うと残念なドラマかもしれない。
一話目では、
スーパーマーケットで、並んでいた男性が列の後方に並んでいた人に向かって叫んでいた。
「そんなに近付くな。もっと間を開けろ!もう何もかも沢山だ!」、と。
私自身は少し離れた列で並んでいたので、詳細はわかり得なかったがかなり醜い言葉で罵っていた印象を受けた。
後方で罵られていた人は車椅子に乗っていた。
その人の後ろにいたのが私でなくて残念であった。
二話目は、
土手の近くを通り掛かった時のことであった。
雪が降ると、人々は滑れるところであればどこでもそりに乗って滑っている。
しかし、その土手の勾配は、側面からはほぼ50度ぐらいに見受けられた。
土手の頂点から父親と幼児が滑って来た。
ところどころの表面が氷になっているため異常な加速度であった、と思ったら父親の方はそりからずり落ち、幼児の方は空中に舞い上がり一二回回転して頭から着地した。
私は野次馬タイプではないが驚愕して足を止めた。
まわりにいた人たちも息をのんでいたようであった。
しばらくしたら幼児の号泣が響いて来たため、(泣けるならば意識はあるため)一応安心して帰途を急いだ。
ニュースで見たり新聞で読んだりする大事件よりも、身近で起こる生(なま)の小ドラマは、良い場合でも悪い場合でも心に残る。
私は、時々街頭アンケートの記事を読む。
街頭アンケートとは、街頭に居る人をランダムに選び出し、希望に応じた人たちに質問を投げかけているものであり統計と呼ぶには参考回答数も少なく、世論調査とも呼べない。
しかしこれは生の意見である。
それゆえに興味深く説得力もある。
今朝は表題の街頭アンケートの記事を読んだ。
2021年、貴方は何を望みますか?
回答の何点かを以下に抜粋させていただく。
「またダンスを再開したいわ。通常の生活に戻りたい」
47歳女性、PRコンサルタント
「健康な世界、健全な態度も含めたものよ。私たちは皆、同じ世界に住んでいるのだから他人にも親切にするべきよ」
54歳女性、販売員
「いろいろあるけど、家族と友人に制限のない状態で会って交流したいよ」
33歳男性、銀行員
「家族と友人とまた交流したい。両親は70歳を越えているからしばらく会っていないの。それから、また外国に行きたいわ」
33歳女性、コンサルタント
「健康なこと。(感染予防のために)他人を思いやる気持ちを持つこと。それから世界中の政治家がもっと常識的になって人間のことを中心に考えて欲しい」
40歳女性、育児休業
「ミサ、および洗礼式、結婚式を再開したいわ。信者の人と談話もね、これは非常に重要なことよ」
55歳女性、神父
「コロナが終息すること、地球上すべてにおいてね。私が悲観的なだけかもしれないのだけど、コロナは来年も終息していないような気がするの」
65歳女性、年金生活者
「パンデミックの終息。現段階では私たちは大したことは出来ないけれど、今年中には改善されて欲しい」
31歳女性、部長
合計14人がインタビューに答えていた。
しかし、基本的にはみな同じことを望んでいた。
パンデミックの終息である。
このアンケートは毎年読んで居るが、以前の回答はバラエティーに富んでいた。
これが東京で行われたインタビューであったら、果たしてどのような回答であったのであろうか。
このアンケートを読んでいた感じたことが二点ある。
一点目は、
この街頭アンケートはストックホルムで行われたものであるが、他の市でも同じような回答が戻って来るであろう。多くの人が一丸になって同じことを望んで居るのであれば、皆が団結することが容易になるはずである。
二点目は、
回答がほとんどはパンデミックの終息、世界平和、友人と会えること等であった。しかし現在私たちはパンデミックの蔓延する中でもなんとか生きている。
そしてそれもそろそろ一年になる。
パンデミックが終息するまでは他の望みは持てないのであろうか。
例えば数年前は、「今年は運転免許を取得したい」と回答していた人もいた。これはパンデミックが終息していない現時点でも可能なことであろう。
「ダンスを再開したい」と回答されていたかたもいらっしゃったが、パンデミックの終息+(現段階で可能な範囲で)何かやりたいこと、と回答した人がもう数人居ても不思議はなかったのでは、と感じたのは私だけであろうか。
次回記事 北欧風 栗きんとんに挑戦
ご訪問有難うございました。
皆様は街頭でこのようにアンケートを求められたらどのように回答されるのでしょうか。
このアンケートはMittiという新聞を参考にさせていただきました。9-januari-15 januari 2021, page 4-5、
januari(スウェーデン語の一月)
*街角の写真に著作権マークを付ける必要が出てきました。見苦しくて申し訳ございませんがご理解いただけたら幸いです。
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